第二話

せっかく連載開始したので、二夜連続でお送りいたします。
と、テレビの特番的な。

相変わらず拙いですが、読んでやって下さい。


では！

 




#01：人の造りしヒト

時は22XX年。

先に起きたメテオG襲来の際に、各国WAXA支部が壊滅的被害を被った事を受け凍結状態であった電波変換プロジェクトが今、ニホン・アメロッパWAXA共同で再び動き始めている。

我々WAXAは近年に起こった三つの事件、

・FM星人の進行

・Dr.オリヒメによる超古代文明ムーの氾濫

・メテオG襲来

において、人類の脅威に対抗しうる戦力保持の重要性を痛感した。

そこで我々は今再び、電波変換プロジェクトにて電波人間による特殊部隊の編成に乗り出したのだ。

 

が、しかし。　特殊部隊編成には、いくつか課題があった。

まずその一つ目として、人工的電波変換が可能な人材が未だ見つからないと言う物がある。

既に人工的電波変換を可能とした唯一の個体としては、Trance Code 001：Acid Aceがいたが、これにはかなりの問題があった。

電波変換時のオペレーター身体に及ぼす影響が大きすぎるのである。　バトルウィザード二号機・アシッドとそのオペレーターである暁シドウが電波変換可能だったのは、暁シドウの身体能力の高さに支えられていたと言っても過言ではない。

そして現在訓練中のオペレーター候補者のうちに、その暁シドウの身体能力を凌ぐものは誰もいない。　よって、人による人工的電波変換は難色を示した。

 

そこで次に我々が着目したのは、Trance Code 000：Jokerの存在である。

彼は人類が生み出した最初のバトルウィザードであり、一つの個体で人間・電波人間両方の要素を兼ね備えた優秀な個体であった。

が、ジョーカーには人間に極めて近い容姿・思考・感情、そして人間を凌駕する知能と戦闘能力を持たせたため人間への服従を嫌った。

人間に服従できぬ彼は〝失敗作〟だった。

しかしその失敗を除けば、ジョーカーは人類にとって貴重な戦力となったはずと我々は考えている。　人工的電波変換に耐えることのできる者を選別する必要もなくなり、彼のデータを基準にして大量のバトルウィザードの開発が可能になるからだ。

そこで我々は、その〝失敗〟を出来る限り取り除いた上でジョーカーのような個体を生みだす事を考え出した。

人間を超える知能を与えず、十分な感情を持たない人型バトルウィザードの開発……。

 

今、我々は上記の条件を満たした二体の〝試作品〟開発に取り組んでいる。

一つは感情面で人に劣る個体―――――Trance Code i #01。

もう一つは知能面で人に劣る個体―――――Trance Code i #02である。

 

彼らには〝人間〟と共に生活を送らせ、その際に見せる成長や感情の起伏等のデータ収集に役立ってもらおう。

そしてその際には我らが英雄、Trance Code 003：Shooting Star Rockman―――――星河スバルにも協力してもらうことにする。

人と人を繋ぎ、それを己の力とする不思議な才能を持った少年と、人によって造り出されたヒト。　二つの接触でどのようなデータが生まれるのかは今実験の見所の一つだ。

 

加えて、既に決定された試作品の名前をここに記しておこう。

 

TRial prODuct ONE＝TODO REN＝藤堂(とうどう) 漣(れん)

TRIAl prOduCt tWO＝TOWA RICO＝藤和(とうわ) 浰喜(りこ)

 

完成は約一年後……、星河スバルたちが中学校に進学する時期だろうか。